特集 内科的治療か外科的治療か
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「食道静脈瘤」―内科の立場から/「食道静脈瘤」―外科の立場から
小原 勝敏
1
1福島県立医科大学第二内科
pp.236-237
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900774
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本邦での内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の歴史はまだ14年であるが,この間,各種硬化剤の基礎的研究や合併症の実態とその対策,手技の様々な改良・工夫,治療成績および予後などの臨床的研究が多施設で盛んに行われてきた.特に,硬化療法導入期においては,合併症をいかに防止し安全な硬化療法を行うかに重点が置かれてきたが,最近では,難治性静脈瘤に対する治療手技や再発防止を考慮した治療手技へと発展している.
一方,問題となるのが,適応の拡大から生じた予防的硬化療法の是非についてである.しかし,予防的硬化療法の是非を論じるまでもなく,本邦では半数以上の例が予防例である.このことは,実際の必要性から生じたものであり,硬化療法が安全かつ効果的に行えるようになったからと言える.また,これまで硬化療法では難治と考えられていた孤立性胃静脈瘤,特に,Lg-fが適切な硬化剤の選択および手技の工夫によって治療可能になった.
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