Japanese
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特集 ARDSの発生・進行要因
ARDSとアラキドン酸カスケード
Arachidonic acid cascade and ARDS
平本 雄彦
1
Takehiko Hiramoto
1
1広島大学医学部第2内科
12nd Dept. of Int. Med., Hiroshima Univ.
pp.939-945
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204291
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成人型呼吸窮迫症候群(adult respiratory distresssyndrome;ARDS)はAshbaugh1)およびPetty2)により報告された非心源性の肺水腫であるが,その原因ないし誘因は非常に複雑である。しかし,ARDSの臨床経過は.肺疾患の既往のない人が急激に呼吸困難を生じ,頻呼吸,チアノーゼを呈し,通常のO2療法のみでは全く改善がみられず,呼気終末に陽圧を加えるいわゆるPEEPによる人工呼吸によってのみ患者を救命しうる。
このARDS発症の原因としては肺毛細血管内皮細胞の損傷に基づく血管透過性の著しい亢進であり,さらに浸出してきた水腫液がリンパ搬出能を上回ったときに,この水腫液が間質に貯留し,肺胞腔内にまで浸出し,ARDSに特徴的な肺水腫となる。
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