Japanese
English
特集 ARDSの発生・進行要因
ARDSにおける酸素中毒—O2 radicalの役割
Oxygen toxicity in ARDS: the role of O2 radicals
天野 勝
1
,
吉矢 生人
1
Masaru Amano
1
,
Ikuto Yoshiya
1
1大阪大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Osaka Univ.
pp.947-952
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204292
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ARDSとは,元来健全な肺機能を有する人に,種々の原因を契機としておこる肺障害のことであり,通常,数時間から数日の無症状期を経て肺障害が発生,進行し重篤な呼吸障害を来たすものである。組織学的には,毛細管内皮細胞の透過性亢進の結果,肺間質に広汎な障害が及ぶという点で共通している1)。
ARDSは原因が多種多様にもかかわらず,肺における病態が一様なことより,その発症のメカニズムには共通するものがあると考えられる。一方,高濃度酸素曝露による肺酸素中毒の病態がARDSのそれと類似しているといわれる。事実,高濃度酸素がARDSの原因の1つであり,また,増悪因子であることから発生メカニズムは同一であるとの考えもある2)。本稿においては,肺酸素中毒ならびにARDS発症のメカニズムとして,活性酸素による細胞障害ということに焦点をあわせ,文献的考察を加えながら解説していきたい。
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