Japanese
English
綜説
最近の各種薬剤とhypoxic pulmonary vasoconstriction
Hypoxic pulmonary vasoconstriction with reference to recent drugs
渡辺 敏
1
Satoshi Watanabe
1
1北里大学医学部麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Kitasato Univ.
pp.820-827
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204273
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肺には局所の換気が低下し低酸素状態になった場合に,その局所の肺血管が収縮することにより,そこの肺血流をより換気されている部位へシフトさせるhypoxic pulmonary vasoconstriction(以下HPVCと略す)と言う代償機構を有する。このHPVCのおこる機序に関しては,自律神経系,低酸素症で生じた血液中の血管作動性物質,低酸素症の肺血管への直接作用などが関与すると言われているが,確定的なことはわかっていない。HPVCはいままで多くの研究により,人間を含めた種種の動物で,しかも正常時のみならず病的な状態下でもおこり,臨床でよく使用される各種薬剤により影響を受げることがわかっている1,2)。
本稿では,低血圧麻酔,心不全,肺高血圧.慢性閉塞性肺疾患など,最近の臨床でよく使用される血管拡張薬,降圧薬,気管支拡張薬などのHPVCに与える影響について解説する。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.