呼と循ゼミナール
陽圧呼吸の作用—おもに循環系に対して(その9)
沼田 克雄
1
1横浜市立大学医学部麻酔科
pp.156
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204174
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陽圧呼吸とくにPEEPが心拍出量を減少させる機序について,これまではもっぱら生理的ならざる圧力勾配という物理的な説明だけを追い求めてきた。いわく,気道内陽圧による右室filling pressureの減少と静脈還流の減少,肺血管抵抗上昇という右室の後負荷増大,右室不全,心室中隔の左方偏移というventricular inter—dependanceの考え方などである。それだけでも,はや説明はつくされているであろうか?
Mannyら1)は犬を,開胸群と非開胸群の2群に分けてPEEPの影響をしらべてみた。開胸群を作った理由は,開胸をしておくことによって大静脈や心の壁外はPEEPをかけてもかけなくても平圧下にさらされて一定であるという条件設定のためである。
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