呼と循ゼミナール
陽圧呼吸の作用—おもに循環系に対して(その4)
沼田 克雄
1
1横浜市立大学医学部麻酔科
pp.872
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204070
- 有料閲覧
- 文献概要
6号で述べたSykesと同じ頃,Morgan(1969)も犬の実験で,IPPVによる心拍出量減少の度合は,気道内圧が高い程,PaCO2が低い程,循環血液量が少ない程大きくなることを報告した。
一方では同年(1969)に,Ashbaughらが成人の重篤な急性呼吸不全,いわゆるARDSにPEEPが有効であることを報告した。これは従来の,人工呼吸時に気道内圧をできるだけ低く維持して循環抑制を防ごうとする考え方からは逸脱したものであったが,臨床上確かに好結果をもたらしうることから,気道内圧上昇またはPEEPが俄かに脚光を浴び,以後多くの研究結果が続々と報告されるに至った。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.