呼と循ゼミナール
陽圧呼吸の作用—おもに循環系に対して(その2)
沼田 克雄
1
1横浜市立大学医学部麻酔学教室
pp.300
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203947
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人工呼吸の心拍出量におよぼす影響
人工呼吸は一般にそのprimary effectとして心拍出量を減少させる方向に働らく。このような報告は,早くは1935年のMooreらの犬の実験に見られ,その後これを裏づける知見がいくつかもたらされた。その中でもっとも有名であり,その後の人工呼吸の基礎的考え方に大きな影響をあたえたのはCournandら1)(1948)の論文である。この論文はあまりにも有名であるので割愛してもよいのかもしれないが,記述の順序として一応触れておこう。
Cournandは意識下のヒトの口にマスクをあてて人工呼吸をし,この時のマスク内に加えた圧の大きさならびに波型と心拍出量の関係を検討した。その圧のかけ方はそれぞれ異なるレスピレータを用いて,次の3種類とした。Type Iは,吸気相と呼気相ともに圧変化の勾配は緩徐であり,両者の時間的長さはほぼ等しい。そしてわずかながら(3mmHgぐらい)今でいうPEEPがかかっている。
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