呼と循ゼミナール
気道における非アドレナリン作動性抑制神経について(4)
相沢 久道
1
1九州大学医学部附属胸部疾患研究施設
pp.880
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204072
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気道におけるNAISの生理学的役割についての現在までの知見は前回述べたが,本神経系と特定の呼吸器疾患との関係は未だ明らかではない。そこで本稿では我々の行なった実験を中心にして,本神経系の肺における病態生理学的役割についてさらに考えを進めてみたい。
現在までの知見より本神経系が気道のtonusの調節に重要な役割をはたしていることは疑いがないようである。一方,気管支喘息や慢性気管支炎等においては,気道の反応性が亢進していることが知られている14)。とくに気管支喘息ではこの気道の反応性の亢進が主たる病態生理学的役割をはたしていると考えられている。しかしながら,気道の反応性の亢進つまり気道の過敏性の本態については未だ解明されておらず,様々な観点より検討が行われているのが現状である。そので我々はネコを用いて,NAISと気道過敏性との関連を検討した。図4にその結果を示した。
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