呼と循ゼミナール
新しいプロスタグランディン—その生合成系について(1)
広瀬 隆士
1
1九州大学胸部疾患研究施設
pp.828
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203818
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近年プロスタグランディン(PG)に関する研究は飛躍的な進歩を示した。すなわちこれまで理論上のものであった,E,Fなどのprimary PGsの共通の中間体であるPG endoperoxidesが単離・同定され,ひきつづき,これに由来するトロンボキサンA2(TXA2)とPGI2が発見された。さらに最近になってI型アレルギー反応のmediatorとして古くから知られていたSRS-A(slow reacting substance of anaphylaxis)がアラキドン酸(AA)から生合成されることが明らかにされ,その構造式が決定された。しかもこれらがいずれもprimary PGsよりもはるかにつよい生理活性をもつことがわかるにつれてprimary PGsは今やclassical PGsとさえいわれるほどであり,従来primary PGsが関与すると思われてきた生理的あるいは病的な反応において,これら新しいPGsやTXさらにはSRS-Aなどか中心的役割を果たすことが考えられるようになった。以下最近の知見をもとにして,まずPG系の生合成系についてのべる。
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