呼と循ゼミナール
新しいプロスタグランディン—その肺疾患との関連について
広瀬 隆士
1
1九州大学医学部附属胸部疾患研究施設
pp.1316
発行日 1981年12月15日
Published Date 1981/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203894
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気管支喘息患者は寛解期においても血中および尿中にPGF2αとその代謝産物が増加している。さらに喘息患者の気道はPGF2αに対し健常者の1,000倍にも相当するつよい過敏性をもっている。PGF2αが喘息の発症につよく関与することを想像させる成績である。しかしながらPG生合成阻害剤を投与しても喘息発作は抑制されない。かえってcyclooxygenase阻害剤であるインドメサシンはヒスタミン,アセチリコリン,PGF2αなどによる気道攣縮を増強する作用をもっており,さらにSRS-Aおよびヒスタミンの放出を増強する。先にのべたSRS-Aの代謝経路とAdamsらの成績などと考え合せると,その成因にSRS-Aのよりつよい関与が考えられる。ことにアスピリン喘息との関連性を思わせるものがある。
肺栓塞症にみられる気道攣縮,肺血管攣縮の機序にもPGの関与を示唆する報告は多い。
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