呼と循ゼミナール
新しいプロスタグランディン—肺疾患への臨床応用に関して
広瀬 隆士
1
1九州大学医学部胸部疾患研究施設
pp.30
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203907
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E系のPGのうちPGE1,E2を吸入すると健常者,喘息患者ともイソプロテレノール吸入の10倍に相当する気道の拡張がみられる。しかしながらE系のPGの作用には多様性があり,ときにPGE2が喘息患者の気道を攣縮することが報告されている。さらにこれらPGには吸入にさいし気道の刺激作用があるため未だ気管支拡張剤として臨床に応用されていない。またPGI2はSRS-Aの産生を抑制することから,その効果が期待されているがPGI2吸入の結果は満足できるものではない。吸入することに問題があるのかも知れない。しかしながら先にのべた実験的肺栓塞症やショックに対するPGI2の予防効果は今後の臨床応用への可能性を示唆するものではないであろうか。これまでこのPGI2の生合成を高めるものとしてEstradiol−17β,カルシトニン,MaIcntyer因子,アンジオテンシンII,Bay g6575,ビタミンC,dipyridamole,リドカインやビタミンEなどが知られている。
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