呼と循ゼミナール
新しいプロスタグランディン—その生合成系について(2)
広瀬 隆士
1
1九州大学医学部胸部疾患研究施設
pp.956
発行日 1981年9月15日
Published Date 1981/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203839
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生合成の初反応には不飽和脂肪酸に酸素分子を導入する,すなわちLipoxygenationをおこす酵素群が関与している。この初反応にひきつづいて一連の酵素反応が始まるわけであるが,これにはcyclooxygenaseによるPG-TXの生合成系と各種のLipoxygenaseによるSRS-A等の生理活性物質の生合成系とがある。以下,新しいPGsに焦点をあててのべる。
1) cyclooxygenase系の生合成系について(図1,2)AAのC−11とC−15に1分子ずつの酸素分子を導入するcycloxygenaseにより酸素分子がAAにとり込まれると,それぞれの酸素分子は環状ペルオキサイドとハイドロパーオキサイド(—OOH)の形になってPGG2が生じる。次いでPG hydroperoxidaseによりPGG2のC−15の—OOH基の酸素原子間の結合が切れて,一原子の酸素が水酸基の形で残り,PGH2が生合成される。ここで問題となるのはもう一つの酸素原子が活性酸素として遊離されることである。
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