Japanese
English
綜説
Vasospastic anginaの臨床像のスペクトル—心電図と冠動脈造影の対比検討
Clinical Spectrum of Vasospastic Angina:Electrocardiographic and Coronary-angiographic Evaluation
土師 一夫
1
,
平盛 勝彦
1
,
本田 喬
1
,
斎藤 宗靖
1
,
深見 健一
1
,
田中 直秀
1
,
池田 正男
1
Kazuo Haze
1
,
Katsuhiko Hiramori
1
,
Takashi Honda
1
,
Muneyasu Saito
1
,
Ken-ichi Fukami
1
,
Naohide Tanaka
1
,
Masao Ikeda
1
1国立循環器病センター心臓内科
1National Cardiovascular Center, Department of Medicine, Cardiac Division
pp.807-827
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203817
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古典的な労作狭心症の虚血発作は冠動脈の硬化性病変に基づく器質的狭窄を背景にした心筋の酸素需給関係の破綻によって生じる。しかも通常虚血発作は心筋の酸素需要の増大が供給のそれを凌駕することによって起こるとされている。一方Prinzmetalらが報告したいわゆる異型狭心症1)の虚血発作は心筋酸素需要が増大しているとは考えにくい時に起こることが多い。この虚血発作の原因は,冠動脈造影(CAG)の最中に偶然に起こった発作や薬物などによって誘発された発作の観察から,冠動脈の機能的狭窄—vasospasm—が大きな因子であると考えられるようになった。さらに異型狭心症のみならず,古典的労作狭心症や最近狭心症の病名として繁用されている不安定狭心症の虚血発作のなかにもvasospasmが関与して起こるものがあると言われている。Maseriらはvasospasmが虚血発作の原因と思われる狭心症を,異型狭心症もそのスペクトルの一型として含め,一括してvasospastic anginaと呼称した2)。
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