Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸刺激剤
Respiratory stimulant
岸 不盡彌
1
,
村尾 誠
1
Fujiya Kishi
1
,
Makoto Murao
1
1北海道大学第1内科
11st Dept. of Medicine, Hokkaido Univ.
pp.619-621
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203788
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いわゆる呼吸刺激剤は,主に呼吸中枢の抑制による換気量低下のため肺がガス交換障害に陥っている呼吸不全患者,麻酔患者,薬物中毒患者などの呼吸中枢を,直接あるいは間接に刺激して換気量を増加させ,動脈血ガスの改善をはかることを目的とする薬物である。
肺胞換気量の低下をともなった急性呼吸不全では,高炭酸ガス血症の悪化を防ぐ対策として,人工呼吸器による補助呼吸が信頼できる方法として行なわれているが,機器の装着,操作,離脱などに熟練を要する。一方,呼吸刺激剤による治療は,歴史が古いにもかかわらず救急的に単発効果を狙って使用されるにすぎなかった。その理由は,第1に,古典的な中枢興奮剤Caffeine,Amino—phylline,Pentylenetetrazol,alpha-Lobeline,Niketa—mide,Bemegrideなどによる呼吸刺激は,中枢神経全体の刺激であるために,最大の呼吸刺激閾では必ず,嘔吐,咳嗽,気管喉頭痙攣,筋肉の痙攣などの副作用をともなう。
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