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特集 呼吸機能障害
第17回日本医学会総会・44シンポジウムより
呼吸機能不全—経時的変化について
Pulmonary Insufficiency:Long-Term Observations
村尾 誠
1
Makoto Murao
1
1北海道大学医学部第一内科
11st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.787-790
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201819
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はじめに
呼吸機能障害たとえば肺活量・一秒率・拡散量などの測定恒に異常が現われてからも,生体はその余備力を動員して,欠陥を代償するため,ただちには動脈血のO2あるいはCO2分圧の異常(呼吸機能不全)を示すにはいたらない。その代償機転としては,中枢の関与する換気量増加の反応と,局所的な換気・血流量の相互調節機転とが働いている。この機能障害から機能不全(代償不能性)にいたる過程を知ることはきわめて重要であるにもかかわらず,その障害の質および量の諸要因が関与しあうので,その分析は困難であった。ことに動脈血ガス分圧の測定技術が安定性を欠き,計器の普及が遅れたことも関連して,経時的変化を追求した報告は乏しい。
演者は,東京大学上田内科・北海道大学第一内科・岩見沢労災病院・札幌地区結核療養施設に入院している患者について,比較的長期間呼吸機能検査値を追求し,あわせて動脈血O2およびCO2分圧値に関する資料を検討したので報告する。
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