綜説
Impedance Pneumography
桑平 一郎
1
,
辻 千鶴子
1
,
太田 保世
2
Ichiro Kuwahira
1
,
Chizuko Tsuji
1
,
Yasuyo Ohta
2
1東海大学医学部第2生理学教室
2東海大学医学部第2内科学教室
1Department of Physiology, Tokai University School of Medicine
2Department of Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.568-576
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203779
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近年,呼吸器系,循環器系の情報収集の手段として,各種の臨床検査法が,C. C. U.やR. C. U.などに例をみるように,システム化されつつある。しかし重症患者で,長時間にわたり経時的変動を観察する必要のある場合では,侵襲の大きい従来からの計測法の応用は,ときに困難であり,いわゆる無侵襲体外計測法の応用が強く望まれている。しかしながら,侵襲,無侵襲の区別にも議論の多いところであり,たとえばSwan Ganzカテーテルの応用すら,その情報の大きさからすれば侵襲度は小さいとする見方も可能である。また,非観血的であるから無侵襲であるということも必ずしも正しくなく,問題点は,患者に与える侵襲度,患者自身の耐容性と,得られる情報の数・量の信頼性のバランスの問題ということもできる。こうした見地からも,Impedance pneumo—graphyは,耐容性のおちた重症患者に対しても侵襲度が少なく,呼吸と循環双方の情報を収集する可能性をもつ検査法であり,その歴史と現状を考察することは意義深いものと考えた。
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