巻頭言
研究態度について
松本 昭彦
1
1横浜市立大学医学部外科
pp.567
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203778
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科学の研究は若い研究者の独創性と直感,それに,そこまでに積み重ねられて来た研究成果に支えられて進歩,発展をみるものであることは言うまでもない。これは医学の研究についても例外ではなく,臨床医学といえども基礎的,臨床的研究の積み重ねによってその成績の向上をみることは改めてのべる必要はあるまい。
最近,学会出席の折に私の尊敬する先輩学究におめにかかり,彼の研究成果について親しく伺う機会があったが,この時に近頃の医師(主として大学,研究施設に勤務する医師)の研究態度について大変憂慮されていた。それは先輩研究者の指導,助言を受けようとせず,自分自身の考え方のみで研究を行おうとする態度であり,また研究などは臨床医には全く必要ないとする態度である。
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