綜説
Impedance Plethysmography
吉良 枝郎
1
,
伊藤 阿耶雄
2
Shiro Kira
1
,
Ayao Ito
2
1順天堂大学内科(呼吸器)
2東芝総合研究所
1Dept. of Int. Med., Juntendo Univ.
2Toshiba Research and Development Center
pp.636-644
発行日 1974年9月15日
Published Date 1974/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202660
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年生体の無侵襲計測の実用化にきわめて深い関心が払われるようになって来ている。かかる傾向はもちろん被検者にできうる限り侵襲をあたえないようにという見地からの配慮も一つの動機であり,かかるテクニックを可能とする医用電子工学の発展もその背景となっている。しかし最も重要な本法によるメリットは侵襲が加わることによる生体の生理学的状況の変化を除去しうること,無侵襲という特色から計測を連続的にかつ反復的に施行しえて,生体の反応をダイナミックに解析しうるということにあると思う。
動脈血Po2, Pco2, pHの測定にさいし,動脈中への採血用注射針の挿入が誘発する疼痛,怖れによる呼吸数の増加あるいは呼吸停止が測定値に影響を及ぼすことは日常臨床でしばしば経験する所である。またポータブルのテープ記録式心電計による日常生活中の心電図の連続記録が狭心発作の解析をより詳細にしうるであろう。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.