新入生を迎えて
主体性のある学習態度と生活態度を
土屋 直子
1
1東大医学部付属看護学校
pp.46-47
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905457
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それぞれの動機やプロセスは異るが,未来への夢と期待と,そして無限に広がる可能性を持って入学した学生に,こんなふうにあって欲しいと思う態度を,教師の立場から述べてみたいと思う。
高等学校時代のように選択科目はなく,必修科目のみの教科で授業計画が立てられている学校が多い現状であるので,学生は,全部決められた教科の授業を一斉学習の形態でうけている。この形態にはいくつかの問題的傾向がある。その一つは,教師と学生との間の関係にみられるものがある。教師が全く主導権をにぎり能動的であり,学生は受身の姿勢で学習者としての主体性を失ないやすい。学生の主体性が求められるのは,学習の主体が学生自身であるから当然のことである。しかし,専門的な教材をもって,学生と教師との関係を対等に相互的なものにすることはむずかしい。というよりも,それはほとんど不可能である。学生に対等の主体性を求めることは,専門的であればあるほどできない。そこでできるだけ学生の自発活動をすすめるし,学習目的の自覚をして欲しい。
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