看護サービス・9
態度と身だしなみ
永井 敏枝
1
1中央鉄道病院
pp.43
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911490
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好ましい態度
よい接遇者としての必要な要素として,よいことば使いとともによい態度,よい身だしなみということがたいせつです。態度は相手に直接好悪の感情を示し,人の心に端的に訴えるものですからとくに注意しなければなりません。いつも態度は謹厳そのもので,一分のスキもないようにというのではなく,明朗でキビキビとした身ごなしの中にも,どこか落ち付いた物腰で,しかも愛嬌をふくんだ顔で,患者さんから,ことばのかけやすい,親しみのもたれる態度でありたいと思います。患者さんに対する接遇について,私たちの態度が不そんだとか,横柄だとか,不親切だとか,冷たいとかいうことがよく問題になりますが,そのようなことは当然心しなければならないことです。一度よくない態度をとつたため,患者さんに不快な思いをさせると,あとでどんなよいサービスをしても,なかなかそれは帳消しになるものではありません。そしてそのことが度重なると,その病院や看護婦の職業としても,一般から信用をなくしてしまいます。そこでよい態度で接しられるには,いつも,そのときの心の状態,心の持ち方をよくしなければならない,ということを考えなければならないでしよう。その心の状態は,その人の健康,私生活,職場環境,仕事の満足感などの影響をうけるものです。
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