呼と循ゼミナール
心筋虚血の早期診断について—(その6)心筋虚血の本質とその治療
田村 康二
1
1新潟大学第1内科
pp.28
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203495
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心筋虚血の早期診断に際してはまず心臓の構成成分のどのレベルで診断する必要があるのかという事が問題となる。即ち心筋細胞の個々の構成成分(例えばミトコンドリア)の各々のレベルで論ずるのか,1細胞としてかある組織としてかというレベルの認識が必要となる。この事は上述の臨床的診断の技術による虚血病変の検出の容易さと対比して検討される必要性がある。これは更に後述する虚血の可逆性ならびに治療と対比して検討されるべき事でもある。
今現在心筋虚血の広がりとその強さについて診断するには既述の各角度から行なうとよい。即ち個々の角度からの診断で互いに補いあって多因子解析の綜合に基づいて診断するとよいと思う。早期に心筋虚血を検出するには心電図異常をみつけることに加えて心臓壁運動の異常をも検出する事が今後更には検討される必要がある。
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