呼と循ゼミナール
心筋虚血の早期診断について—(その2)心筋代謝
田村 康二
1
1新潟大学医学部第1内科
pp.890
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203419
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冠血流量が減少したならば結果として心筋組織に虚血性の代謝が生じているか否かを知ることが必要となる。
まず問題は虚血性代謝を心臓の組織のどの大きさの単位で診断すろのかということである。その単位をある大きさの心筋組織,1個の心筋細胞,あるいは心筋細胞内の1構成成分(例えばミトコンドリア)等の内のどれにするかによって方法論が異ってくる。その単位は小さい程実験室内では処理し易いが,臨床的にはむずかしくなる。また得られた成績の意義も扱う単位によって相互に普遍化して考えにくくなる。例えばミトコンドリアの変化から臨床的な心臓全体の変化を考えてゆくとなるとどうしてもたきな溝ができてくる。
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