呼と循ゼミナール
急性心筋梗塞への非手術的冠動脈開大術
兼本 成斌
1
1J.W.Goethe大学医学部
pp.34
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203497
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前回は慢性期の冠動脈疾患を対象とした冠動脈狭窄の非手術的開大術についてのべた。今回はこの方法を手技はいくぶん異なるが急性心筋梗塞に適応しようという試み(Rentop et al)があるので紹介する1,2)。
彼らは45歳の男で陳旧性下壁梗塞の既往歴を有する不安定狭心症に対しニトログリセリンで治療をして症状が安定した後,冠動脈造影を行った。1回目の右冠動脈造影(90%狭窄)の後に患者は胸痛をきたし,心電図ではII・III・aVF・V6でSTが上昇し,右冠動脈は完全閉塞を示した。そこで外径0.8mmのteflon-coated springguide-wire (USCIH 8015 007649)を狭窄部より末梢へすすめたところ,症状は軽快し,STももとにもどった。
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