綜説
Inert Gas
太田 保世
1
,
山崎 陽之介
2
,
山内 俊忠
3
Yasuyo Ohta
1
,
Yohnosuke Yamazaki
2
,
Toshitada Yamauchi
3
1東海大学医学部生理学教室
2東海大学医学部麻酔学教室
3東海大学医学部内科学教室
1Department of Physiology, Tokai University School of Medicine
2Department of Anesthesiology, Tokai University School of Medicine
3Department of Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.584-591
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203374
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地球をとりまく大気中には,およそ78%のN2が存在するように,地上の生物はおしなべてN2とは無縁ではありえない。宇宙の起源を溯ると,初期の大気中にはH2やHeがきわめて豊富であったと考えられている。軽いガスが宇宙空間に拡散してゆくことと,引力によって引きとどめることの均衡から,現在では,地殻から発生したN2が主体であり,Ar 0.934%,Ne 18 ppm,He 5ppm,Kr 1 ppm,H2 0.5ppm,Xe 0.1ppmほどが含まれる9)。
潜水作業などのような特殊な状況を除けば,N2は"inert"と認知されたために"継子扱い"されてきた72)が,Fenn26)があえて指摘したように,N2のようなinertなガスにも,「長期間にわたる低いN2分圧の,何らかの,いまだ証明されていない生物学的効果」があるかも知れない。
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