臨床メモ
Gas Endarterectomyについて
村上 忠司
1
1北海道大学医学部第二外科
pp.789
発行日 1969年6月20日
Published Date 1969/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204867
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血管外科領域でもつとも多く遭遇する疾患である四肢の慢性動脈閉塞疾患は,本邦では数年前まではそのうち,閉塞性動脈硬化症の占める頻度がせいぜい10〜20%にすぎないといわれていた.しかし最近は生活様式の変化がその一因であろうとされているが,頻度の増加がみられ,石川らによると最近3年間の統計では46%を占めている.閉塞性動脈硬化症は閉塞性血栓血管炎に比し血行再建の適応例となるものが多く,血栓内膜剔除術あるいは人工血管,自家静脈などによるバイパス手術が行なわれている.
ところでこの血栓内膜剔除術は血管移植の普及する以前から行なわれていたが,手技的にも困難でとくに閉塞が長い範囲におよぶ場合にはそれを完全に開通させるには高度の技術と,手術時間の延長も余儀なくされていた.
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