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講座
Subcutaneous Gas Pocketにおけるガス交換—(2)ガス拡散の理論と実験
Gas Exchange in the Subcutaneous Gas Pocket :(2) Theoritical and Experimental Analysis
太田 保世
1
,
中山 英明
1
,
横山 哲朗
1
Yasuyo Ohta
1
,
Hideaki Nakayama
1
,
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部笹本内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.1111-1116
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201714
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はじめに
前稿1)ではsubcutaneous gas pocket(以下gas pocket)について,組織平均ガス分圧という観点から述べてみたが,gas pocketの他の興味は,ガス拡散,血流分布,ガス溶解度といった呼吸生理学的基礎概念を,gas pocketを用いたモデル実験を介して理解しうるという点にある。
臨床的な立場からも,gas pocketには広い意味が含まれており,gas pocketという概念を知っておくことが役に立つと思われる。たとえば気胸,気腹も一種のgas pocketであり,ガス塞栓症で血流中に存在する気泡も同じ範疇で考えられ,気道の部分的閉塞に伴った無気肺の発生も考え方は同様である。生理的にも中耳,副鼻腔,腸内ガスあるいは髄液腔などもpocketである。このような考えをふえんすれば胆のうとか,膀胱などもliquid pocketと考えることすらできる。
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