呼と循ゼミナール
ガスの流れ
平本 雄彦
1
,
西田 修実
1
1広島大学医学部第2内科
pp.1210
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203290
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酸素が吸入されて気道を通り肺胞より赤血球に達するまでの流れについては図1にみられる如く,気相と液相の2つの異なる媒体を通過する。気道におけるガスの運搬は圧勾配によって動くconvective gas transportと濃度勾配によって動くdiffusive transportがあり,気道内ではこれらの2つのtransport mechanismが相互に影響し合って,ガスの運搬が行なわれている。このうちlarge airwayではconvectionがガス運搬の主体となり,末梢に向うに従いconvectionの成分が減少し,diffusionの成分が主要となってくる。ついで肺胞膜での拡散血流によるconvection,赤血球内への拡散を経て赤血球内での化学反応となる。
このように,気道より赤血球までのガスの運搬はそれぞれの場所で,それぞれの運搬形態をとり,また気道の形態学的な特長から,ガスの運搬の解析を非常に難しくしているのが現状であろう。
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