呼と循ゼミナール
ガスの流れ(4)
平本 雄彦
1
,
西田 修実
1
1広島大学第2内科
pp.470
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203359
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気道の形態学的特徴によりガスの運搬は中枢気道では圧勾配によるconvectionが,末梢気道では濃度勾配によるdiffusionが主役をなす。しかし、この2つのガス運搬様式の接点はいかなる方法でガスが運搬されているのであろうか。図の上に示した如く,長い管の中を拡散性のない溶液Aが溶液Bの中を層流で流れるときには管壁に近い周辺部の流れは管壁抵抗のため中心部より遅く,parabolic profilをなして溶液Bに入る。しかし,溶液Aが拡散性を有するときには溶液Aのparabolic profilの状態は少し異なり,図の下の点線で示した如く,parabolic profilは鈍化し,長軸方向への分散は小さくなる。またx0よりparabolic profileの先端までの溶液Aの濃度は図の下に示した如く,拡散性を有する溶液のときには,周辺との濃度が均一化する傾向を示している。管内の拡散には長軸方向のもの(axial diffusion)とそれに直角な方向のもの(radial diffusion)の2種類あるが,axial diffusionはこのparabolic profilを鈍化させる効果は少ない。
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