名著案内
—Julius H. Comroe, Jr., et al. —The Lung Clinical physiology and Pulmonary function tests(Second Edition)
長野 準
1
1国立療養所南福岡病院
pp.888
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203251
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Comroeの"The Lung",これぞ肺生理学のバイブルである。入門書としての内容の簡潔,明確さもさることながら,臨床肺生理研究の黎明期に彼らが先駆者として,その基礎を解り易く紹介してくれたことは,そのタイミングの良さと相俟って肺生理を専攻する者にとっては,正にエポック・メイキングな著書として印象深いものである。本書はComroe,orster,DuBois,Brjscoe,Carlsenとそうそうたるメンバーの共著である。Comroeは一昨年California大学のCardiovascular Research Instituteの所長を定年退官されたが,その他の人は未だ第一線で活躍中である。
これから呼吸器病学を学ぼうとする諸君が,肺生理についての良き入門書はと尋ねれば,おそらく10人のうち10人までが本書の名を挙げるであろう。本書に対する世界各地での絶讃はフランス語,イタリア語,スペイン語そして日本語訳が出ていることからもうかがえる。1955年が初版で,1962年に第2版が出ているが,第2版の改訂にはPARTII臨床家向けの応用編が加えられている。臨床からの本書への要望が,いかに強かったかを示す一端である。
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