名著案内
—Robert W. Winters et. al.—"Acid Base Physiology in Medicine" A Self-lnstruction Program (second edition) (The London Company, 1969, 811 Sharon Drive, Westlake, Ohio)
長野 準
1
1国立療養所南福岡病院
pp.960
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203427
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今日酸・塩基平衡に関するテキストブックは枚挙に限りがないほど世に出ている。すなわち臨床に直結した課題であるから,基礎から内科,外科などの広い範囲に及ぶ解説書としてである。酸・塩基平衡は,血液生理学的あるいは電解質平衡からみるときと,呼吸器・腎臓・脱水・代謝・麻酔などの視点をかえてみるときは,かなり違ってみえる主題である。したがって,それぞれ長所をもった幾多の教科書があっても,不思議はない。その中で入門書として名高いものに,H. W. Davenport著の"The ABC of Acid-Base Chemistry"がある。この本は基礎的解説書として,評判にたがわず充実した本であるが,むしろ学生時代に時間をかけて,じっくり読むのに適した本であろう。
そこで今回は,これから呼吸器の臨床医として,学生時代の知識の復習をしながら,臨床応用にその場で役立つ,しかも堅苦しくなく読めるものを紹介する。すなわちNew Yorkのコロンビア大学小児科グループによる"Acid Base Physiology in Medicine"である。本書は独特の形式をもっており,年長の識者には好まれないかもしれないが,若い人の入門書としての評判は高い。
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