名著案内
—Katz, L. N. and Pick, A. —Clinical electrocardiography Part I:The arrhythmias
中村 芳郎
1
1慶応義塾大学医学部呼吸循環内科
pp.903
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203254
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わが国の循環器学の大部分を心電図が占めていた一時期があったのに,不整脈が重要視されたのはその時期におくれていたようである。そのうちにmicroelectrodeによる研究が多くなり,microelectrodeの発達が現在の種々の不整脈解釈の知識をわれわれに与えてくれたように思われるが,これらの知識の多くが,比較的わずかな電気生理学的知識を充分に駆使し,デバイダー一つで心電図の中から抽出したKatz and Pickの成績に基づいているのである。microelectrodeの知識がむしろ彼らの思考をconfirmしてきた面の方が大きいのではないだろうか。
その臨床心電図による不整脈解釈の集大成がKatz and Pick:Clinical electrocardiography,Part I;The arrhythmiasである。本書の記載はきわめて明解であり,短い。737頁のうち教科書的記載は300頁に満たない。そのかわり400例ほどの不整脈に長文の解説がつき,詳細な解釈が述べられている。
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