Japanese
English
特集 拡散
気道における拡散
Diffusion in the airway
福地 義之助
1
,
矢野 清隆
1
,
三並 春夫
1
,
原沢 道美
1
Yoshinosuke Fukuchi
1
,
Kiyotaka Yano
1
,
Haruo Minami
1
,
Michiyoshi Harasawa
1
1東京大学老年病学教室
1Dept. of Geriatrics, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.633-639
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203216
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吸入気がガス交換領域に十分に供給されることは肺機能を円滑に維持するために重要なことである。肺内へ吸入されたガスの運搬は,圧力差により一塊となってガスが移動するconvection (対流)と,ガスの分子のrandom movementにもとづいて濃度勾配に応じて,作用するdiffusion (拡散)の2つの基本的な物理的メカニズムによって達成されることは広く知られている。従来はこの両者の役割を考えるときに,大中気道ではconvection,末梢肺胞領域ではdiffusionがほぼ独立した形で作用すると想定するような単純化や,気道内において気道長軸方向への拡散(axial diffusion)のみを考慮し,気道壁へ向う拡散(radial diffusion)をまったく無視するモデルの設定などの非現実的なアプローチが少なくなかった。
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