今月の主題 呼吸不全—その実態と治療
実態
呼吸不全の予後
原澤 道美
1
,
福地 義之助
1
Michiyoshi Harasawa
1
,
Yoshinosuke Fukuchi
1
1東京大学医学部・老年病学
pp.380-383
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218175
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呼吸不全は,呼吸器系の本質的機構である生体と外界との間のガス交換過程が障害され,その結果動脈血O2分圧の低下,またはCO2分圧の上昇をきたした状態,と定義されている.そして機序や治療上の差から,高CO2血症を伴わない低O2血症(I型)と,高CO2血症を伴う低O2血症(II型)の2型に分類されている,また呼吸不全は,その経過から急性および慢性呼吸不全に分けられているが,後者は呼吸不全状態が1カ月以上持続するものとしている報告が多い.
さて呼吸不全の基準としては,動脈血O2分圧に関しては60TORR以下(CO2分圧については45 TORR以上)という値が広く用いられているが,O2分圧が75〜61TORRにあるものは,将来呼吸不全に移行する可能性が大きいので,準呼吸不全として扱われている.
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