Japanese
English
綜説
気管支の神経支配
Innervation of the Respiratory Tract
原沢 道美
1
,
福地 義之助
1
Michiyoshi Harasawa
1
,
Yoshinesuke Fukuchi
1
1東京大学医学部老年病学教室
1Department of Geriatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.544-551
発行日 1968年7月15日
Published Date 1968/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201915
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はしがき 肺は交感神経,副交感神経(迷走神経)および横隔膜神経の一部などから神経支配を受けている1)〜3)。これらの神経は肺門部で肺神経叢を形成し,そこから出た神経線維が,気道や血管に副って肺に入っているが,そこには求心線維および遠心線維の両方が含まれている。それらの神経線維はお互いに複雑に混り合っているので,形態学的にその一つ一つを平滑筋や腺などの作動体や,知覚終末にまで追跡することは困難である。むしろ生理学的ないし薬理学的実験の方が,それらの神経の役割を明らかにしうることが少なくない。しかしながら形態学的および生理学的検索方法の間には,現在でもなおかなりのギャップがあり,今後なお明らかにさるべき点が少なくない。肺血管系の神経支配については既にふれた4)ので,ここでは主として気道系について,形態と機能の両面から,その現況を展望してみたい。
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