Japanese
English
特集 拡散
肺胞気相における拡散
Diffusion in the alveolar gas phase
大久保 隆男
1
,
長嶋 純夫
1
,
柴田 寛彦
1
,
菊池 喜博
1
Takao Okubo
1
,
Sumio Nagashima
1
,
Hirohiko Shibata
1
,
Yoshihiro Kikuchi
1
1東北大学医学部第1内科
11st Dept. of Int. Med., Tohoku Univ,
pp.641-648
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203218
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肺の末梢呼吸単位において,一呼吸間に,吸気が肺胞表面に達してガス交換が行なわれるのであるが,この場合気体の拡散の速度がlimiting factorになるか否かという問題は,Krogh以来の呼吸生理学の一つの命題であった。この問題がCumming (1966)のモデル計算1)をきっかけに再燃して以来12年になるが,この分野の研究はmass spectrometer,電子計算機などの技術的進歩に助けられて,実験的研究およびモデル計算の面で新知見を加えて,大きな進歩をとげた。
肺胞内ガス拡散に,我国では従来"stratification"をそのままあてていたが,最初に「気相内拡散」という語を用いたのは私共2)(1973)であったかと思う。その頃を境として,国内,国外共に研究の方向は,層状不均等といわれる病的機序の検出から,気相内拡散の生理学的意義の本格的な検討に入ったように思われる。私共がこの主題について,「呼と循」誌にreviewしてから5年になるが,その後の盛んな研究により,いくつかの重要な知見を加えるべき時期にあるように思われる。
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