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特集 肺機能検査の新しいガイドライン—手技と装置(2)
クロージングボリウム
Closing Volume
福地 義之助
1
,
石田 喜義
1
,
山岡 実
1
,
矢野 清隆
1
Yoshinosuke Fukuchi
1
,
Kiyoshi Ishida
1
,
Minoru Yamaoka
1
,
Kiyotaka Yano
1
1東京大学医学部老年病学
1Department of Geriatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.225-230
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204829
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はじめに
肺機能検査の際にクロージングボリウムを測定項目として選択するのはそれが末梢気道病変の検出に役だつことを期待してのことである。ある指標ガスをX軸に,呼出気量をY軸にとって,準静的(quasistatic)呼出させたときに得られる単一呼出曲線(Single Breath Washout Curve)にはクロージングボリウムに相当する第Ⅳ相の他に,第Ⅰ〜Ⅲ相が区分されている(図1)1)。すでに広く知られているように,第II相は解剖学的死腔(Fowler Dead Space)の測定に用いられるし,第III相はいわゆるAlveolar Plateauとして,肺内の換気不均等分布の指標として利用される。
したがって,クロージングボリウムの測定にあたっては,第Ⅳ相をできるだけ確認しやすい形で描記するように単一呼出曲線を記録し,一定の方式に従って分析することで,その再現性を向上させ,信頼度の高いデータを生むことになる。このような記録は,同時に第Ⅱ相やⅢ相についても良好な解析を可能にすることになるのである。
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