呼と循ゼミナール
A-aDo2—呼吸と循環の影響
岡田 和夫
1
1帝京大学麻酔科
pp.612
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203074
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動脈血O2分圧(Pao2),さらには肺胞気—動脈血O2分圧較差(A-aDo2),シャント率(Qs/Qt)は肺のガス交換の異常の度合を示す指標として広く利用されている。肺内シャントが増大したらA-aDo2の拡大から判断できると考えられているが,これも誤まりでないが,それだけでなくA-aDo2にはこのQs/Qt以外に循環の変化も影響するのではないかとの考えがましてきた1)2)。
従来のシャント率を求める式では,高濃度酸素を吸入させてPao2を150mmHg以至上にしてA-aDo2を測定し,動脈血—混合静脈血酸素含量鮫差を5%と仮定して,簡略化した式から求めていた。しかしA-aDo2を測定し,動,静脈血酸素含量較差を一定としてシャント率Qs/Qtを求めると,実際には肺に異常がなくてもシャントが増大したようにみえる場合がある。
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