Japanese
English
Bedside Teaching
低血圧とA-aDO2
Controlled hypotension and A-aDO2
大村 昭人
1
Akito Omura
1
1帝京大学麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Teikyo Univ.
pp.621-627
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204242
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人為的低血圧は術中出血の減少,脳動脈Clipping時の操作を容易にする為等の目的でしばしば行われ慎重に行えば安全なものである。しかし低血圧麻酔中に死腔が増大し同時に動脈血酸素分圧(PaO2)が低下しA-aDo2が拡大することは大分以前から判っていた。しかもPaO2の低下は症例によって全く異りその程度をあらかじめ予測することは困難である。更に低血圧を行わなくとも全身麻酔中には種々の要因で換気血流比の不均等分布.肺内シャントの増大等によりA-aDo2が拡大することは良く知られておりこれに加えて低血圧という新たな因子が加われば著しいhypoxemiaを来す可能性もある。この点に関しては最近数年間に臨床家の関心が集り低血圧によるA-aDo2拡大の機序も明らかにされて来た。本講では最近の研究によって明らかにされてきたA-aDo2拡大の機序と,それに関係する複雑に因子について説明し臨床上問題になる点について触れる。
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