Japanese
English
原著
Effective A-aDo2とendtidal A-aDo2
Effective A-aDo2 and endtidal A-aDo2
西田 修実
1
,
高野 光弘
1
,
吉見 達也
1
,
瀬分 典雄
1
,
倉岡 敏彦
1
,
山中 栄一
1
,
西本 幸男
1
,
藤沢 章
2
Osami Nishida
1
,
Mitsuhiro Takano
1
,
Tatsuya Yoshimi
1
,
Norio Sewake
1
,
Toshihiko Kuraoka
1
,
Eiichi Yamanaka
1
,
Yukio Nishimoto
1
,
Akira Fujisawa
2
1広島大学医学部第2内科
2島津製作所精機事業部真空機器工場
1Dept. of Int. Med., Hiroshima Univ. School of Med.
2Vacuum Equipment Plant, Precision Machinery Division, Shimadzu Seisakusho LTD.
pp.821-824
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202682
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"肺胞気とは一体何か?"という質問1)は難問であるけれども,Riley and Cournand2)は機能的な面から"理想肺胞気(ideal alveolar gas)"の概念を提唱して,肺胞気のO2分圧を算出するための肺胞式(alveolar equation)を作成したことは周知であり,肺胞気—動脈血O2分圧較差(A-aDo2)は,この式で求めた肺胞気O2分圧と動脈血O2分圧との差で表わされている。このA—aDo2を今仮にeffective A-aDo2(Aeff—aDo2)と呼ぶことにする。他方近年呼気O2の瞬時連続分析装置3)4)が出現することにより,終末呼気O2分圧を測定することが可能になった(図1)。この終末呼気O2分圧を"肺胞気"とみなして求めたA-aDo2をここで一応endtidalA-aDo2(Aend—aDo2)と呼ぶことにする。前者の測定および計算にはかなりの時間が必要であるが,後者の測定および計算は簡単である。Aend—aDo2の測定は,不均等換気が存在する疾患例においては肺胞からの非同時性呼出(asynchronus emptying)が生ずるため,意味がないと考えられるかも知れないが,健康者および諸種疾患例において,Aeff—aDo2とAend—aDo2が実際にはどのように近似あるいは離れた値を示すかを知ることは興味のあることであろう。
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