呼と循ゼミナール
心収縮時相の評価(5)—左・右心収縮の非同時性
村松 準
1
1北里大学内科
pp.340
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203040
- 有料閲覧
- 文献概要
左・右心収縮の非同時性に関しては,古くから関心がもたれ,Katz (1925)1),Braunwald (1956)2)らは動物実験により左・右心カテーテル法を同時に施行し,左・右心収縮時相を分析している。しかし,ヒトに関しては方法論的な問題もあって,研究はかならずしも進展せず,非観血的分析法の確立が期待されていた。
Lang (1971)3)は左心収縮時相を頸動脈波,心電図,心音図の同時記録から,また右心収縮時相を右心カテーテル法による肺動脈圧波,心電図,心内心音図から求め対比した。氏らによればQIは右室で長く,駆血開始時相は左室で早期に生じ,駆血時間ETは右室で左室より6msec長いという。同様の手法による対比はLeighton,Weissler (1971)4)らによっても報告されている。しかし,これらたがいに異質な方法による左・右心収縮時相の対比については,その妥当性にかんし十分な吟味が必要である。可能なら,非観血的な同一手法で左・右心収縮時相が対比さるべきである。その1方法として,著者ら5,6,7)はエレクトロカイモグラムを,榊原ら8)は超音波ドプラ法による分析を試みている。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.