呼と循ゼミナール
心収縮時相の評価(1)—左室収縮時相計測上の問題
村松 準
1
1北里大学内科
pp.978
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202978
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左室収縮時相(left ventricular systolic time intervals;LVSTI)の計測とその評価は,1940年,ドイツ学派によりすでに報告されていた。すなわち,Blumberger (1940)は,心電図のQから第2心音の開始点までを心収縮期(electro-mechanical systole)とし,頸動脈波の立ち上り点から切痕までを駆血時間(Austreibungszeit;ATZ,ejection time;ET)として,その差を心緊張時間(Anspannungszeit;ASZ,pre-ejection time;PEP)とした。これは第2心音の発生と大動脈圧波の切痕形成の同時性を基盤とし,頸動脈波の伝達遅延時間を考慮したものである。さらに,Holldack (1951)は,心電図のQから頸動脈波の立ち上り点までの時間を求め,これより遅延時間を減じて心緊張時間(ASZ,PEP)を求め,心電図のQから第1心音のTonsegmentまでの時間を心変形時間(Umformungszeit;UFZ,QI時間)とし,これらの差から心昇圧時間(Druckanstiegszeit;DAZ,isovolumic contraction time;ICT)を求めた。
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