Japanese
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呼と循ゼミナール
ペーシング後陰性T波
pacemaker T wave syndrome
中田 八洲郎
1
1順天堂大学内科循環器
pp.332
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203038
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T波は種々の原因により陽性であるべき誘導で陰性T波となる。それらは心筋の器質的変化に由来するものもあれば,過呼吸,食後,期外収縮後,アダムスーストークス発作後,各種の急拍症停止後,脳血管障害,自律神経の影響等によって,陰性T波をみることが知られている。さらに最近では心室ペーシングによってもT波が陰性化することが認められており(図),そのメカニズムに関して種々検討されているが詳細は未だ不明である。
このペーシングによる陰性T波の特徴は,1)その出現頻度はきわめて高率でほとんどの例でみられる。2)洞調律のみならず異所性調律でも認められることがある。3)心拍数とは無関係である。4)心内膜電極でも心筋電極でもみられる。5)陰性T波の出現する誘導はペーシングの部位に関係する。6) T波の変化の程度はペーシングの期間および刺激の強さに相関する。7) T波の正常化までに要する時間はペーシングの行われていた期間に関係する。
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