呼と循ゼミナール
心収縮時相の評価(3)—心力学的反応
村松 準
1
1北里大学内科
pp.116
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203009
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心不全がないとき,心の容量負荷のさい,QIおよび"いわゆる"ICTが軽度短縮し,かっPEPも短縮する。このとき駆血量がまし,ETは延長する。一方,心の圧負荷ではICTおよびPEPが延長し,ETはわずかに短縮傾向を示す。Blumberger1)は,1956年心の容量,もしくは圧負荷にたいする心の反応形式を定量化するため,ATZ (Austreibungszeit)とASZ (Anspannungs-zeit)の比,ATZ/ASZすなわちET/PEPなる指標を示し,心の病態を容量反応(Volumen-reaktion)および,圧反応(Druck-reaktion)に区別した。これは,のちにWeissler Index (PEP/ET)ともよばれている。ET/PEPがきわめて小かまたは,小となるとき,心の病態は圧反応または圧反応化しており,これは心不全もしくは心不全にむかう経過を示すと考えられる。ET/PEPが大か,または大となるとき,心は容量反応,または容量反応化を示す。
代償性本態性高血圧症では多くが圧反応化を示す2)。抵抗亢進型高血圧症では,約70%が圧反応を示すが,高送血量型高血圧症でも45%が圧反応化している。
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