呼と循ゼミナール
心収縮時相の評価(4)—非観血的右心時相分析
村松 準
1
1北里大学内科
pp.228
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203024
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左心収縮時相分析に比べ,右心収縮時相分析の展開には著しい遅れがあった。それは右心系の解剖学的特性ゆえ,非観血的に情報を得難く,観血法によらねばならないからである。左心収縮時相の概念が右心系にも適応しうることがO.Bayer1)により確かめられた。すなわち,頸動脈圧波の2つの前波がそれぞれ駆血前左室内現象を表現する(Hurthle)2)ように,肺動脈圧波の2つの前波がそれぞれ,右心変形期(RVQI)および右心昇圧期(RVICT)を反映し,かつ主波(立上りから切痕まで)が右室駆血時間(RVET)に相応する(O. Bayer)1)。観血法による分析には多くの業績があるが,その成績はかならずしも一致していない。非観血的アプローチとして,Luisada (1947)3),Ellinger (1948)4)らが肺動脈electrokymogram (EKY)を用い,右心時相の測定を試みている。それは,肺動脈EKY曲線と肺動脈圧波の近似性に注目したゆえである。Fishleder (1957)による間接的肺動脈拍動曲線(左第2肋間付近で認められる収縮期拍動を低周波記録したもの)も肺動脈圧波との類似性が示され,その応用性が論じられている5)。
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