呼と循ゼミナール
血液ガスと呼吸(4)—Po2による呼吸の刺激と抑制
本田 良行
1
1千葉大学生理学
pp.218
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203022
- 有料閲覧
- 文献概要
低酸素状態においては,換気の亢進がおこる。これは酸素のとり入れを低下させまいとする生体の合目的的な働きと理解できる。従来,この際の呼吸促進は,低酸素血症により末梢化学受容器(大動脈体,頸動脈体)が刺激され,これが単に呼吸中枢に伝えられてその活動をたかめ,換気量を増すものと解釈されていた。しかし,近年,低酸素そのものは,呼吸中枢の活動を抑制する働きのあることが明らかになりつつある。従って,低酸素状態における換気の大きさは,末梢化学受容器からの刺激と,呼吸中枢の抑制との総和として考えられるようになってきた。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.