呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞症の治療
友田 春夫
1
1東海大学医学部内科
pp.970
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202976
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急性心筋硬塞症に対する治療法のうち,心臓のポンプ作用の低下による,いわゆるpump failureに対する治療は現在でもきわめて困難であり,特に体血圧80mmHg以下,尿量20ml/時以下で末梢循環不全症状を呈する,いわゆるcardiogenic shockについては死亡率は80%以上に及ぶ。これらの治療法については年間心筋硬塞発生が130万人といわれる米国を中心に精力的に行なわれている。特に1970年代前半は,急性心筋硬塞症例について右心あるいは左心カテーテル法が施行され,その血行動態に関するdataが集積され,急性心筋硬塞症のいわゆる病態生理が解明された時期であった。
さらにこの時期におけるpump failureに対する治療面に関する進歩としては,要約すれば硬塞心に対するpreload, afterloadを適切な状態に調節することの重要性が示されたということに尽きる。
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