呼と循ゼミナール
血液ガスと呼吸(1)—血液ガスのホメオステーシスに対する換気調節系の役割
本田 良行
1
1千葉大学生理学
pp.995
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202982
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肺におけるガス交換の結果,動脈血の酸素分圧(Pao2),炭酸ガス分圧(Paco2)およびpHが規定される。一方,これら血液ガスは図1に示すような化学受容器を介して呼吸中枢を刺激し,換気量に対しフィードバックをかける。従って,実際の生体では,ガス交換—血液ガスの系(Restoring system)と,血液ガス—換気の系(Drivingsystem)を同時に満足する状態で,換気,血液ガスのレベルが落着くことになる。
Restoring systemを規定する関係は,
酸素消費量(Vo2)=肺胞換気量(VA)×(吸気内O2-肺胞内O2)
炭酸ガス排出量(Vco2)=肺胞換気量(VA)×(肺胞内CO2-吸気内CO2)
であるから,一定の物質代謝の下において室内空気を呼吸するときは,VAとPAO2,もしくはVAとPACO2の関係は図2の実線に示すような双曲線となる。これをrnetaboiic hyperbolaと呼ぶ。
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