Japanese
English
装置と方法
急性心筋硬塞巣の面積測定の試み—テクネチウム−99mピロ燐酸による心筋シンチグラムの応用
An attempt to estimate the area of acute myocardial infarction by means of technetium-99 m pyrophosphate myocardial scintigram
岡部 真也
1
,
玉地 寛光
1
,
兼本 成斌
1
,
日野原 茂雄
1
,
友田 春夫
1
,
笹本 浩
1
,
鈴木 豊
2
Shinya Okabe
1
,
Hiromitsu Tamachi
1
,
Nariaki Kanemoto
1
,
Shigeo Hinohara
1
,
Haruo Tomoda
1
,
Hiroshi Sasamoto
1
,
Yutaka Suzuki
2
1東海大学医学部循環器内科
2東海大学医学部放射線科
1Cardiovascular Division, Department of Medicine, Tokai University
2Nuclear Medicine Section, Department of Radiology, Tokai University
pp.789-796
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202953
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近年,アイソトープによる急性心筋硬塞(以下,AMIと略す)の硬塞巣の描出が注目されており,なかでも,テクネチウム−99mピロ燐酸(以下,99mTc-PYPと略す)を用いた報告が多い。99mTc-PYPは水酸化燐灰石(Ca10(PO4)6(OH)2,以下,apatiteと略す)に親和性を持ち,本来,骨シンチに用いられてきた1)。AMIの硬塞巣にカルシウムがapatiteの形で集積するとの仮説に基づき2〜4),犬に実験的心筋硬塞を作製し,99mTc-PYPを静注したところ,硬塞巣がシンチ上のhot areaとして表われることが明らかになった5)。この事実に基づいて,1974年から1975年にかけて,米国において99mTc-PYPによる心筋シンチグラム(以下,99mTc-PYPシンチと略す)の臨床応用が行われ,本法がヒトのAMIの硬塞巣の探知および部位の決定にきわめて有用なことが確認された6〜8)。我が国でも,99mTc-PYPシンチの応用は,石井ら9),著者ら10)によって報告されている。
さらに,最近,99mTc-PYPシンチにより,硬塞巣の面積(以下,MI areaと略す)および重量(以下,MI weightと略す)を知ろうとする試みがなされてきた。
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