呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞(XI)—99mTc-PYPによる心筋scintiscan
兼本 成斌
1
1東海大学医学部内科
pp.204
発行日 1976年3月15日
Published Date 1976/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202875
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急性心筋硬塞(AMI)は,30分以上持続する胸痛発作,血清酵素および心電図の異常によって診断される。しかし胸痛は客観性に欠け非典型例も多い。血清酵素もisozymeによる分類が行われ,最近ではCPKのMB bandがAMIの発症早期(約3時聞後)から上昇しspecificであることが知られているが48時間以後は血中から消失しはじめてしまう。
また心電図も万能ではなくAMIの診断率は約80%である。心電図が典型的なAMIの像を呈さないか確診しにくいものには,下壁硬塞,高位側壁硬塞,高位後壁硬塞,心内膜下硬塞,左脚ブロックやWPW症候群を伴った場合の他,右室硬塞や心房硬塞がある。
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