呼と循ゼミナール
201-Tl心筋シンチグラム
兼本 成斌
1
1J. W. Geothe大学医学部
pp.1386
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203684
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従来,冠動脈疾患のスクリーニング検査としては心電図一辺倒の感があったが,虚血心筋でおこる変化を電気的な現象におき変えての評価であり,虚血領域を直接に探知するTl心筋シンチグラム(Tl-SG)の方がその精度でまさることは容易に想像できる。
実際,安静時および運動負荷Tl-SGと心電図の異常Q波および運動負荷時のST低下のsensitivityとspecifityとを比べた研究(表1)ではsensはTl-SGの58〜85%(平均75%)に対し,心電図は46〜71%(62%)と低く,specもそれぞれ88〜100%(95%),63〜88%(77%)と明らかにTl-SGの方がよいことが実証されている1)。両方の検査を合わせればsensは87%と単独の検査よりもさらによくなる。
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